関節トラブル予防|シニア犬の秋の散歩&室内運動の工夫
※本記事はペット栄養管理士の資格を有する執筆者が監修しています。

秋は気温が穏やかで、シニア犬にとって過ごしやすい季節です。夏の暑さで散歩を控えていた子も、徐々に運動を再開しやすくなります。
しかし、急な運動再開や寒暖差は関節に負担をかけやすく、特にシニア犬には注意が必要です。本記事では、関節トラブルを防ぐための散歩の工夫や室内でできる運動、栄養面でのサポートについて紹介します。
1. シニア犬に多い関節トラブルとは
加齢に伴い、関節の軟骨がすり減ることで炎症や痛みを引き起こす「変形性関節症」は、シニア犬に多い疾患のひとつです。
以下のような兆候が見られたら、関節ケアを意識しましょう:
- ☑︎散歩中に座り込む・歩くのを嫌がる
- ☑︎起き上がりや階段の上り下りが辛そう
- ☑︎後ろ足の筋肉が痩せてきた
- ☑︎触られるのを嫌がる部位がある
2. 秋の散歩で気をつけたいポイント
涼しくなってきたとはいえ、朝晩の気温差や地面の冷たさには注意が必要です。以下のような工夫をすると安全に散歩ができます。
- ☑︎散歩時間は日中の暖かい時間帯(午前10時〜15時)がおすすめ
- ☑︎アスファルトが冷えている場合は、服やブーツで関節を保護
- ☑︎急に長距離を歩かせず、時間と距離を少しずつ延ばす
3. 室内でもできる運動で関節をサポート
散歩が難しい日でも、室内でできる軽い運動を取り入れることで、筋力低下や関節のこわばりを防ぐことができます。
- ☑︎おやつを使った「立つ・座る」運動(スクワットのような動作)
- ☑︎マットの上をゆっくり歩かせる「ふみふみ歩行」
- ☑︎ぬいぐるみなどを使った「ゆっくりひっぱり遊び」
ただし、運動のしすぎは逆効果になることも。足腰の調子が悪い日や、運動中に違和感を示した場合はすぐに中断し、無理をさせないようにしましょう。
4. 散歩時間と頻度を見直してみよう
関節への負担を軽減するためには、1回あたりの散歩を短めにし、1日2回に分けるなどの工夫もおすすめです。硬いアスファルトではなく土や芝生の道を歩かせるよう意識しましょう。
また、滑りやすいフローリングはシニア犬の大敵です。屋内では以下のような工夫が有効です。
- ☑︎コルクマットや滑り止めラグを敷く
- ☑︎段差にスロープを設置
- ☑︎ベッドを低くして、上り下りしやすくする
5. マッサージやスキンシップも効果的
運動だけでなく、愛犬とのマッサージタイムも関節ケアに効果があります。優しく撫でながら関節周りの血流を促すことで、筋肉の緊張を和らげ、リラックス効果も得られます。

特に以下の部位を、1日1~2分ほど優しくマッサージしてあげましょう
- ☑︎太ももの付け根
- ☑︎肩関節のまわり
- ☑︎背中の両脇(肩甲骨のあたり)
6. 関節ケアをサポートする食材・サプリ
関節の健康維持には、運動だけでなく日々の食事も重要です。次のような栄養素は特におすすめです
- ☑︎グルコサミン・コンドロイチン:軟骨の修復や保護に役立つ
- ☑︎オメガ3脂肪酸:炎症を抑える効果があり、関節の腫れや痛みを緩和
- ☑︎ビタミンE・C:抗酸化作用で細胞の老化を防ぐ
サプリメントを取り入れる際は、獣医師に相談しながら、体質に合ったものを選ぶようにしましょう。
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7. 散歩時間と頻度の見直しポイント
シニア犬になると、同じ時間の散歩でも体への負担は大きくなります。若い頃と同じ距離やスピードでの散歩は、関節や筋肉の疲労につながる場合もあるため、秋の気候に合わせて調整しましょう。
- ☑︎1回20分前後を目安に、朝夕の2回に分ける(例)
- ☑︎週末だけ長時間、よりも毎日こまめに短時間の方が効果的
- ☑︎気温・地面の熱・風の強さなどを見ながら柔軟に調整
歩いたあとに疲れすぎていないか、関節を舐める・足を引きずるなどのサインがないか、毎回チェックすることも大切です。
8. ケガ予防とケアの習慣づけ
秋の散歩では、落ち葉に隠れた段差や石につまずきやすく、筋力の落ちたシニア犬にとっては転倒や捻挫のリスクが増える季節でもあります。
また、関節トラブルを予防するには、運動だけでなくケア習慣も取り入れることが重要です。
- ☑︎散歩後の足のマッサージで血行促進&違和感チェック
- ☑︎床滑り防止マットや滑りにくい靴下などの活用
- ☑︎関節が冷えないよう、寒暖差のある日は室内でもブランケットなどで保温
見た目だけでなく、触って感じる微妙な変化にも気づけるよう、毎日のスキンシップが関節ケアにもつながります。
グッズ編:関節ケアに役立つおうちグッズ
散歩以外でも、室内で筋力やバランスを鍛えられるグッズがいくつかあります。無理のない範囲で取り入れることで、関節トラブルの予防に役立ちます。

- ☑︎バランスディスク:体幹や後ろ足の筋力維持に
- ☑︎ノーズワークマット:嗅覚や前足を使った遊びで脳の刺激にも
- ☑︎低いステップクッション:段差の昇降で脚の筋トレにも
どれも「楽しく・短時間・毎日少しずつ」が合言葉。ケアマットやマッサージローラーなど、運動後のクールダウンに使えるグッズもおすすめです。
まとめ|年齢に合った運動で「ずっと歩ける体」を
関節のトラブルは、気づかないうちに少しずつ進行していきます。でも、秋は体を動かしやすく、予防・改善に取り組みやすい季節です。
「まだ元気そうだから大丈夫」と過信せず、“今からできるケア”を日常に取り入れることが、将来の寝たきりや歩行困難を防ぐカギになります。
無理なく楽しく動いて、シニア期でもいきいきとした毎日を過ごしていきましょう。